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鹿鳴のすべて

鹿鳴は身体の中にいくつもの汀を持つ青年であった。ほんらいならば水平線が立つべきところにあたらしい汀が出来ては重畳なり、波は何処かから不図あらわれるばかりで、帰るべき大いなる源をついに持つことはなかった。彼の身体のなかに入って釣りをすると、浅い処をこのむ魚ばかりが魚籠の中にたまった。鷺がやってきては白い羽を落としてまた飛び立ってゆく。どこまで歩いていっても、はだしの足の甲の肌色が水の表面に映るような、そんな青年であった。
「鹿鳴のすべて」

収録作品

  • 鹿鳴のすべて

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初版発行日

  • PDF:2020年4月1日
  • mobi:2015年2月25日
  • 書籍(文庫):2017年4月1日

頁数

  • PDF:57p
  • 書籍(文庫):58p(表紙回り4p含む)

発行元

  • PDF:6e
  • mobi:6e
  • 書籍(文庫):6e

備考

  • 幻想小説