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ロクエヒロアキ
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CasaBRUTUScasabrutus@CasaBRUTUS·
20 1月

南青山にオープンしたピカソのセラミック作品を展示する美術館〈ヨックモックミュージアム〉。
⇒ http://ow.ly/AuQo30rt5UY
洋菓子メーカーの〈ヨックモック〉が長年収集してきた、500点以上におよぶピカソのセラミック作品を展示

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osito_kuma押井德馬(おしーとクマ)@osito_kuma·
15 1月

旧字旧かな+総ルビ!? これはすごい! https://twitter.com/rokuehiroaki/status/1350022257041580035

ロクエヒロアキ@rokuehiroaki

今日は擬古文小説あさいらむも届いたのですが、結構確認したはずなのに旧字になってないとこをいくつか発見し、ああああ、という気持ち。こちらは表紙も本文もクラフト紙になります。 2

Reply on Twitter 1350023995698028544Retweet on Twitter 13500239956980285443Like on Twitter 13500239956980285446Twitter 1350023995698028544
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hoshido_fukui福井の小さな本屋【HOSHIDO】ホシド⭐️@hoshido_fukui·
15 1月

もぐらちゃん...!!!!!
すごく伝わっててめちゃくちゃ嬉しい😭
そうなんです。
彼にしかできない表現によって、この物語の中の彼らへの愛おしさが増していくんです。
大事なことを言うのを忘れてましたが、装丁もロクエさんがご自身で作ってますからね。ほんとすげぇです❄️❄️❄️ https://twitter.com/moguranohondana/status/1350013890160074752

もぐらのほんだな@moguranohondana

先月ホシドさんですすめていただいて購入し、年末に読みました。
まず、このサイズ感と装丁(なんていうんですかね、、かたくて凹凸があってきらきらする加工がされています…文章力なくてごめんなさい)がいいです。
そして読み始めると、その文章にひきこまれます。比喩や表現の仕方が、この作者さん https://twitter.com/hoshido_fukui/status/1349888086960869378

Reply on Twitter 1350016992250454019Retweet on Twitter 13500169922504540192Like on Twitter 13500169922504540193Twitter 1350016992250454019
rokuehiroakiロクエヒロアキ@rokuehiroaki·
15 1月

今日は擬古文小説あさいらむも届いたのですが、結構確認したはずなのに旧字になってないとこをいくつか発見し、ああああ、という気持ち。こちらは表紙も本文もクラフト紙になります。

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rokuehiroakiロクエヒロアキ@rokuehiroaki·
15 1月

ご感想ありがとうございます! 初版の表紙はきらびきSR_白_180Kを使用しております。はじめて使う紙でしたが、わたしも仕上がりとても気に入っています。

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禁:無断転載
小説 洋菓子と秘密の共有

わたしたちは待ちきれなかった。珈琲機のなかでお湯が沸騰する、その瞬間を。棚のいちばん高いところにしまってある秘められた色の水仙があしらわれた美しい食器を背伸びして取り、テーブルのうえに銀器とともに並べる、その他愛のないひと手間を。アパートのドアーを開け、踊り疲れた沓くつを脱ぎ捨てる、そんなことすらももどかしく思えた。ここは目白、緑がまるで、乙女の清らかな手によって――乙女というものが、この世界にまだ健在するとしての話だが――ていねいに磨き抜かれたような五月、駅前のソリッドなベンチ――というか、平たく言うのなら直方体の石――のうえに、わたしたちは腰をおろしている。

世の中のお菓子を用途で分類するのなら、たとえば、こういうのもありなのではないか。たとえば――歩きながらもしゃもしゃ食べうるものと、お家に帰ってしっぽり頂くものと。けれども、わたしたちは待ちきれなかった。百円ショップを見つけたわたしたちは、どちらからともなく示し合わせたように首を縦に振り、プラスチックのフォークを求めた。お洒落な街で、血眼になって座れる場所を探した。そうしていよいよ、紙でできた扉を開くときが来る。

お客様を、わたしたちは鄭重に取り扱った。スマホで写真を撮り、インスタにアップした。お客様の絶妙にコーディネートされた衣装に、わたしたちは改めて息を呑んだ。素敵だね、と言い合ったわたしたちには、少しお互いを探るような感じがあったかかもしれない。たぶんわたしたちは、すぐにそのことに気が付いた。

「じゃあ、食べようか」

みどりちゃんが言う。パッケージからフォークを取り出しながら、わたしは言う。

「うん」

はじめはゆっくりと、それから徐々に性急に、わたしたちはケーキにフォークを突き付けた。もちろん、フォークに突き付けたあとには口に運んだ。わたしたちは焦っていた。わたしたちは、通行人の視線も気にならなかったわけではないと思う。わたしたちは、クリームが口元につくたびに、指先でそれを拭って、またすぐにケーキにとりかかった。そういう意味で、わたしたちは非常に勤勉だった。

「こんなかっこう、ママに見せられないね」

「うん」

わたしは頷く。口に含んだ瞬間に上品なバナナが香り立つカスタードクリームを、わたしは培養皿シャーレになったつもりで受け止めた。ケーキが上品であればあるほどに、おいしいものであればあるほどに、わたしのなかで、アンバランスすれすれに募っていく思いがあった。わたしたちのあいだの秘密。わたしたちのかかえる背徳感。たぶんそれは、すごくすごく大事なもの。いまはまだ使えない、というか、使おうとしても意味のないものだけれど、いつかそれはきっと、思い出という国に立ち入るためのパスポートになる。

「……おいしい」

その一言をみどりちゃんが 口にしたのは、タイミング的にはかなり遅かった。なにせケーキというケーキが、あらかたわたしたちの目の前から、忽然と姿を消したあとだった。でも、そのズレが、歪み真珠的に輝くのを、わたしはしっかりと目のあたりにした。わたしは、いつもならやすやすとする同意を、今日は示さなかった。だって、そうじゃない? 神聖なものにぶつかってしまったら、骨や筋肉を動かすどころじゃないもの。

そうしてわたしは、満を持してやってきた最後のひとくちをじっくりと味わうこととなった。決して開かれることのない封蠟によって閉ざされた手紙のような、砂糖細工の永遠を、そのときわたしは希求した。もちろんそれには、あと一歩のところで届かないことを知っていて。

まっしろな沈黙。その気配に慄然としそうになる前に、

「ごちそうさまでした」

この世の中でもっとも使われているのにちっとも古びない、便利なエンドマークのひとつを、わたしは口にした。なぜなら、わたしたちには、回帰せねばならない場所があったからだ。けれどもまだ――わたしは、エンドマークのそのあとに、みどりちゃんが折りたたむようにして潰した、ケーキの入っていた紙の箱を、とても綺麗だと思ってしまったから。


2016/09/25 23:59
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