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    わがままストロベリー

    フォークを握る指先に、ぎゅっと力をこめていちごをつぶす。つぶす、つぶす、つぶす。いくつもいくつもつぶす。
    さっきからもう、マッチをこすって出来た火みたいに甘くて苦しい香りがあとからあとから立ち上って、息もできない。においというのは見えない水のようなものだ。そうして、人間の気持ちというのは辞書のようなものであり、ひとつひとつは、そこから引きだしてくる単語の意味のようなもの、濡れてしまったらおじゃん、解読不能になる。だからもうわからない。わたしには、わたしの気持ちがわからない。

    「わがままストロベリー」

    収録作品

    • わたしの入江
    • ペダル
    • 命短し
    • パイプとランプ
    • はちみつしょうがのお湯割りを
    • かみさまたちの死後
    • 彼女が言ったすべてのこと
    • すいかのたね(あの夏の日の黄身ちゃんと白身ちゃん)
    • わがままストロベリー」

    販売サイト

    初版発行日

    • PDF:2020年4月1日
    • mobi:2019年5月26日
    • 書籍(文庫):2019年5月31日

    頁数

    • PDF:51p
    • 書籍(文庫):56p(表紙回り4p含む)

    発行元

    • PDF:6e
    • mobi:6e
    • 書籍(文庫):6e

    備考

    • GL

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    エイリアンVS.インベーダー

    嘉数智がおれに向かって発した第一声は、おそらく、凡例としてはなかなかに優秀で、つまりは、事情を何も知らないひとの嘉数智への興味をよく惹くだろうものだ、と言っていいだろう。
    ――おれに近づくな。
    すなわちこれだ。
    近づくな、と言われても、その日のおれは日直で、教科担任から課題のプリントを集めるように仰せつかっているので、それを受け取らないわけにはいかない。ちょっと首をかしげ――すなわち、あなたの話は聞いたけど、その言い分は、わたしには理解しかねますよ、というそぶりをして、一歩おれは嘉数智に歩み寄る。すると――。
    ――近づくなっつってんだろ、聞こえねえのか? クソが。

    「エイリアンVS.インベーダー」

    収録作品

    • エイリアンVS.インベーダー
    • 天使の輪っか
    • 男の子ははしゃぐ
    • ハンプティ・ダンプティの食卓
    • ヤンソンさんの誘惑
    • 鶏鳴

    販売サイト

    初版発行日

    • PDF:2020年4月1日
    • mobi:2019年5月21日
    • 書籍(文庫):2019年5月25日

    頁数

    • PDF:94p
    • 書籍(文庫):98p(表紙回り4p含む)

    発行元

    • PDF:6e
    • mobi:6e
    • 書籍(文庫):6e

    備考

    • BL