• 書籍/電子書籍

    三文小説

    頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎、声はトラツグミ、見た目は子供、頭脳は大人の怪物が、近頃京を騒がしていると言う。
    「鵺探偵・数葉の夜叉」

    収録作品

    • 三文小説
    • 鵺探偵・数葉の夜叉
    • 航空王国・律儀な泥棒

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    初版発行日

    • PDF:2020年4月1日
    • mobi:2017年11月1日
    • 書籍(文庫):2017年4月8日

    頁数

    • PDF:343p
    • 書籍(文庫):346p(表紙回り4p含む)

    発行元

    • PDF:6e
    • mobi:6e
    • 書籍(文庫):6e

    備考

    • 三文以内に収まる小説を集めた掌編集。

  • 書籍/電子書籍

    太陽を好む複数の惑星

    少年たちを乗せた汽車が、ファースト・ターミナルへと到着する。
    目を覚ましたのは水星であった。繭のなかからからだを出すと、彼は四つん這いになって他の繭たちのあいだを縫ってドアーのところまでゆき、下方につけられたノブを押す。ドアーの隙間から、びゅう、と冷たい風が吹きつけてきて、水星は思わず目を閉じた。そのまま這うようにして外に出て、雪のなかに鞠のように転がり落ちる。まぶたが冷たい。睫毛も。それから心臓も。いずれも、あるとすればの話であるが。
    「太陽を好む複数の惑星」より「水星」

    収録作品

    • 太陽を好む複数の惑星
      • 水星
      • 金星
      • 地球と月
      • 火星
      • 木星
      • 土星
      • 天王星
      • 海王星
      • 冥王星
    • 幻談(2015)
    • 天井をささえる男の話

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    初版発行日

    • PDF:2020年4月1日
    • mobi:2017年9月30日
    • 書籍(文庫):2017年4月1日

    頁数

    • PDF:111p
    • 書籍(文庫):120p(表紙回り4p含む)

    発行元

    • PDF:6e
    • mobi:6e
    • 書籍(文庫):6e

    備考

    • 幻想小説

  • 書籍/電子書籍

    羊飼い

    もしもわたしが一台のビデオ・カメラだったのなら、地平線のようにまっすぐなこの目の中に飛び込んできた映像の醜悪さに、あるいは顔を覆ったかもしれない。けれどもあいにくと、わたしには、ビデオ・カメラならばあたりまえに有っているような、心というものがない。ゆえにわたしは、これっぽっちも息をひそめることないどころか、悠然と、彼らの輪の中心に入ってゆこう。そうして彼らを、ひとりずつ順番に、頭のてっぺんからつまさきまで、まじまじと見つめるだろう。なるほど、彼らにはみな髭がない。だから、猫でないことはおろか、狐や狸の仲間でもないことがわかる。もしも彼らが、仮面をつけていなければの話だが。実のところ、彼らは貉でさえない。あらゆる意味で、偕老同穴という言葉ほど彼らからほど遠いものはない。若さというものが非常にしばしばそうであるというひそみに、なにも倣ったわけではなかろうが。
    「羊飼い」

    収録作品

    • 羊飼い
    • とかげ

    販売サイト

    初版発行日

    • PDF:2020年4月1日
    • mobi:2017年10月10日
    • 書籍(文庫):2017年4月1日

    頁数

    • PDF:113p
    • 書籍(文庫):120p(表紙回り4p含む)

    発行元

    • PDF:6e
    • mobi:6e
    • 書籍(文庫):6e

    備考

    • BL

  • 書籍/電子書籍

    D/T

    ボクサーブリーフの中に期待をかたく練り上げたものを隠し持っているくらいには、あなたはまだ、少年と呼んでもいい年頃で、額に掌と手首のあいだあたりの部分を押しあて、ぐりぐりと、あたかも脳味噌と呼ばれるものを直に捏ね上げようとする所作もまた、ひどく少年じみている。シャワーの水音が止まり、あなたが腰を浮かせかけたところで、また、シャワーの水音が鼻歌交じりに聞こえ出す。どさりというあなたが腰を落とす音、これは大仰だ。ふう、というため息もまた。あなたはそのまま寝台へと背中から倒れ込む。あなたの背中の下に寝台がきちんとあることを、信じきった動作で。
    「D/T」

    収録作品

    • D/T
    • 卑怯
    • そろそろ行くから
    • 地獄に仏
    • 髙木の妊娠
    • 残り香
    • 跳び箱の中
    • 三杯酢
    • ビター一文
    • 待ち時間
    • 月鳴鳥
    • ポリタンク
    • 三十八度二分の接吻
    • ケチャップと最終便
    • 星を飛ばす
    • バウムクーヘン・スタート

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    初版発行日

    • PDF:2020年4月1日
    • mobi:2017年10月20日
    • 書籍(文庫):2017年4月1日

    頁数

    • PDF:78p
    • 書籍(文庫):80p(表紙回り4p含む)

    発行元

    • PDF:6e
    • mobi:6e
    • 書籍(文庫):6e

    備考

    • BL

  • 書籍/電子書籍

    失色ブルー

    たとえば、なにかつらいことがあったときに空を見上げる、というのは、小説内の記述においてなら、常套化していると言っていいものかもしれません。ですが、もちろん、ひかえめに考えても、そのとき空に罪はない、と言えるでしょう。だいいち、目の前が真っ暗なときに、前より遠くすらも見ることが許されないのだとしたら、いったい視覚というものは、なんのためにあるのでしょうか。どんな短距離走でも、ゴールと言うのはここにはなく、数秒以上ぶんの時間の先にあるものです。べつの言い方をするのなら、「そこ」というのは、そもそも「今」ではなく「未来」の領域であると言うことが可能になるのではありませんか。「未来」を本質的に凝視めるのが眼球の機能ならば、空くらい見たってなんのことはない、と言っていいのではないかとわたしは思うのです。
    「失色ブルー」

    収録作品

    • 「味噌汁残高」
    • 「平面日」
    • 「青の時代」
    • 「粉々に砕かれた未来のために」
    • 「罰の味」
    • 「トイレの神様」
    • 「しおどき」
    • 「失色ブルー」

    販売サイト

    初版発行日

    • PDF:2020年4月1日
    • mobi:2017年11月1日
    • 書籍(文庫):2017年4月1日

    頁数

    • PDF:177p
    • 書籍(文庫):188p(表紙回り4p含む)

    発行元

    • PDF:6e
    • mobi:6e
    • 書籍(文庫):6e